ガバナンスビジョン

問題意識_日本の民主主義・NPO税制の不備(日本、いまだシオクラシー)

もっと公的な貢献が出来ないものか。社員ひとりひとりの実存を考えた場合、今のまま、税金を納めるだけの仕組みに乗っかるだけでは何かが足りない、そう感じてきました。社員の日々の活動の成果が、事業そのものが捉える顧客への貢献を超えて、もっと社会貢献的な活動へつながっている実感。そうした、社員ひとりひとりの唯一無二感を現象させるリアルな仕組み。そうしたものをずっと模索してきました。これまで、国境なき医師団やユニセフ、その他、環境活動や芸術支援活動などを行っている団体への寄付を検討してきましたが(少額はすでに行っている)、日本のNPO法はアメリカのそれと根本的な思想を異にしており、株式会社が持続的な支援をすることは叶わないようになっているのです。端的に、寄付にも課税されてしまうのです。日本の国家官僚は利権を手放しません。一度、自分たちの手の内にお金が集まらないことには気が済まないらしいのです。アメリカは違います。企業が個別に、税金を払うか、公的な活動(NPO)に振り向けるか決められます。民主主義が貫徹されているのです。社会は市民が作るもの、その哲学が制度上も貫かれています。

 

民主主義の基本は主権が市民一人ひとりに存すること。一人一人の意思が公的な社会を作ろうと作為することです。日本のようになんでもかんでもお上が決める仕組みは「おまかせ」民主主義であって、民主主義の本義に反します(これはデモクラシーではなくシオクラシー)。今のNPO法はその典型なのです。本来、企業もその得た利益の一部を自分らの意思で自由に社会貢献的な活動に振り向けられてしかるべき。日本いまだ民主主義にあらず、なのです。
 そこで思案しています。社員の日々の仕事が社会貢献につながっていると感じられる仕掛けとは?そのデッサンが「社員持ち株会」と「公益財団法人」の設立です。その二つに株式のかなりの部分を譲渡することを準備中。日本の民主主義の現状を考えると、それがベストの選択のような気がしています。まだ計画段階ではありますが、次第に輪郭をはっきりさせてご報告したいと思います。