会社をゼロから見直した
第四次産業革命期。その号砲はスマホの登場をもって鳴らされました。世界は左旋回を始めて久しく、資本主義の本家であるアメリカでも左翼系の大統領候補が支持を集めています(右:機会の平等、左:結果の平等)。こうした現象はすべて、ひとつの大きな流れによって起こされていると考えるべきでしょう。マルクスやシュンペーターが予言した通り、生産力は極限まで達し、これまでのアセットそのものが相対的に価値を失ってきた、そういうことです。商品やサービスそのもの、そして、それらを生み出してきたバリューチェーンそのものが、もっと大きな図式の中に部分化されるという予兆です。今、問われているのは、それらの「組合せ」と「使い方」。UXやカスタマージャーニーという言葉が注目される根源的な理由です。
私たちも何か大きな変化を感じ取っていました。まだ、明確な表現は与えられていませんでしたが、これはとてつもない変化が起き始めているに違いない、そう感じていました。現場に巨大な違和感が生じ始めていたのです。その違和感に徹底的に向き合いました。そして5年ほど前、経営改革を断行。作りかけのシステムを捨て去ることを手始めに、業務をゼロから見直す作業に着手。そして、改革は事業そのもの(新商品の投入停止・新規顧客の獲得停止・問合せ窓口の停止&アウトソーシング・運送会社の絞込み30社から4社へ)、組織のあり方・人事制度(外作比率のアップ・全社員企画職・報酬体系の刷新・振り返りシート/ことばにこだわること)、果ては資本政策(ガバナンス)にまで及ぶことになりました。まだ継続中ではありますが、それはまさにカイシャをゼロから作り直す作業です。その間、改革の痛みに耐えかねて多くの社員が去っていきました。社員数は150名あまりから20名ほどになりました(事業規模は逆に拡大・・・)。そうして、私たちのカイシャは来るべきスマート社会の時代(近代化の次のフェーズ)に向けて準備を整えていったのです。
ここでは、継続中のその改革の先に見えている3つのビジョンを紹介します。